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従来の折板屋根の散水方法はどのようにして行われてきたでしょう
従来はスプレイやスプリンクラーを用いた散水方式が一般的でした。こうした方法は、数千㎡に及ぶ広域面に散水には不向きです。屋根の凹凸面が影となって水の飛翔を遮ります。ですから水を均一に散布できません。
また、水の散布量が局所的に多かったり少なかったり、また濡れない箇所ができていました。全面に水がかからないことに加えて、散布された水は空気中を飛びますので飛翔中の放熱量(熱ロス)は大きくなります。冬なら雪に冷たい水をかけても融けません。気温の低い中での散水は凍結の原因にもなります。必要水量も甚だしく多くなるため、大がかりな井戸が必要になります。このように、折板のような凹凸形状の屋根では実用面での問題が山積していました。
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パテジソンはこのようにして課題を解決しました
熱媒体を圧送して空中散布する方法はとっていません。屋根面上部に直線状に上部解放流路を形成し、この流路を利用して水を下流域に向けて流す構造を採用しました。屋根面全体を覆う並列した散水管路を多数形成して屋根の隅々まで水の分配を行なうのです。パテジソン方式では、これらの流路から水を細かく流下させて屋根前面を水で覆う方式が採用されています。 |
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給水配管も簡単になりました
給水量は少なく低圧での搬送ですむため、鉄管でなく塩ビ配管(VP)で要が足りることになりました。散水配管は棟に横1本と、勾配屋根の途中位置に設置すればすみます。
冬は融雪屋根、夏の集熱装置
水が地下水であれば、夏は屋根の冷却に、また冬は融雪に使用することができます。
夏場には、屋根冷却に利用した水は高温になります。これを雨トイから回収すれば、システムは太陽光温水装置になります。運転制御には、融雪期間中は降雪センサーにより、冷却期間中では差温サーモスタットが用いられます。
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